高千穂地区建設業協会は、昭和25年4月に西臼杵地区建設業協会として創設されたものですが、当時の資料は保存されていません。昭和41年4月に第9代会長に就任された竹尾久義氏の著書「私の生涯」に、協会設立のための初会合について記された節があり、それによると「昭和25年4月に西臼杵郡建設業協会の初会合に出席した。初代会長に奈須七郎氏が就任された。当時の会員は14名であった。」とあります。設立当時は土木業者9社、建築業者5社であり、昭和24年5月の建設業法施行以前は、所轄警察署長の許可、戦後は所轄の労働基準監督署長の許可などを受けて開業し、寄り合い的な土木建築請負組合の組織であったものと思われます。発足当時から昭和33年頃までは年間予算的なものはなく、会員の割り勘持ち出し的な方法で運営されていたようで、事務所は会長の会社事務所内に置き、書記1名程度の給与は会長立替えであったようです。

いつ頃から事務長が採用されたのか不明ですが、昭和34年3月に前任の事務長退職に伴い、同年5月に後任事務長として田崎幸夫氏が採用されています。この頃になると昭和29年の台風災害を受けて建設業者も倍増しており、協会組織も大きくなっていったようで、協会事務所建設の機運も高まり、同年10月に高千穂町役場下に木造平屋建て16坪の事務所を建設しています。

昭和37年になると会員も35社となり、協会事務所も一部増築され、事務局職員も3名体制となっていました。昭和41年頃には会員も43社となり、会議室や駐車場に支障を来すようになり、昭和43年に事務所の近くに土地を求め西臼杵建設会館（軽量鉄骨造2階建延べ142.56m²）を建設し、同時に西臼杵建設会館の法人化を行い、同年12月に会館の竣工式と併せ株式会社西臼杵建設会館創立祝賀会を行っています。

その後、昭和47年9月には西臼杵地区建設業協会を高千穂地区建設業協会に、翌昭和48年4月には株式会社西臼杵建設会館を株式会社高千穂建設会館にそれぞれ名称変更しています。しかし、会員増と車社会の進展に伴い、再び会館駐車場等に支障が生じはじめ、昭和53年5月に新会館建設特別委員会が設置され、2年後の昭和55年12月に現在の建設会館が建設されました。また、この新会館落成に併せて協会旗も制定され今日に至っています。

これら60年間の道のりの中で、諸先輩方はその時代時代の様々な困難を乗り切り、高千穂地区建設業協会の礎を築いていただくとともに、長年にわたり度重なる陳情活動等を通して建設業が企業として成り立っていくよう各種制度の構築にもご尽力いただき、感謝の念に堪えないところです。

今、我々建設業は急速に変化する社会の真っただ中にあり、厳しい社会環境と経営環境におかれていますが、諸先輩方が築かれた協会の名誉を汚すことなく、西臼杵地域の基幹産業として会員の総力で地域に根差した協会活動を通し、中山間地域の生活と安全と雇用を守っていきたいです。

本協会は、会員相互の協調により業界の道義を高揚し、広く知識を探求し、建設技術の向上と経営の合理化を推進し、社会公共の福祉に寄与することを目的とする。